社交不安症とは
社交不安症(社交不安障害)は、人前で話す・発表する・注目されるといった場面に強い不安を感じ、避けようとしてしまうこころの病気です。
ただの恥ずかしがり屋や内気な性格とは違い、日常生活や学校生活に支障をきたすほどの強い緊張や不安が続きます。
大人だけでなく、子どもにも社交不安症は見られます。
たとえば、「人前で食事ができない」「みんなの前で発表ができない」「友達と話したいけど怖くて目を合わせられない」といった悩みが続いている場合、それは性格ではなく“治療や支援が必要な状態”かもしれません。
原因はさまざまですが、もともとの気質(敏感さ・慎重さ)に加えて、人間関係のトラブル、失敗経験、過度な期待などが背景になることがあります。
日常生活に影響が出てきたと感じたときには、お早めにご相談ください。
社交不安症の特徴的な症状
社交不安症では、ほかの人から注目されることへの恐れから、緊張や身体の反応が現れこのような恐れが起こる場面を避けるようにもなります。
こころの症状
「人前で話すのが怖い」「自分に自信がない」「周囲にどう思われるかが常に気になる」「恥ずかしさや緊張でパニックになりそうになる」といった強い不安があります。
そのため、学校の授業中に挙手ができなかったり、友達の輪に入れなかったり、ちょっとした会話を避けたりするようになります。
中には、人前で食事をするのが苦手だったり、顔が赤くなることを過度に気にしてしまったりするお子さまもいます。
これらは本人にとっては非常につらく、毎日が緊張の連続となることもあります。
身体の症状
強い緊張に伴って、身体面にも症状が現れます。
「顔が赤くなる」「声が震える」「心臓がドキドキする」「手に汗をかく」「吐き気や腹痛」「急に泣き出す」「トイレが近くなる」などがその例です。
登校の前にこうした症状が強くなる場合は、不登校の背景に社交不安症がある可能性もあります。
子どもの社交不安症の診断
社交不安症は、6歳~18歳までの間で発症することが多く、15歳ごろが発症のピークといわれています。
最初は「恥ずかしがり屋」で片づけられていても、思春期になるにつれ「授業中に発言できない」「友達との関わりを避ける」「学校行事に参加できない」など、生活への影響が広がってくることがあります。
放置してしまうと、学校への不適応、不登校、引きこもり、うつ症状、自尊感情の低下などにつながるリスクもあります。
また社交不安障害はほかの精神疾患を併発することが多いことで知られており、二次的に生じた疾患の治療だけでは改善しないこともあります。
社交不安障害の存在にしっかり気付いて早期に治療することが大切です。
社交不安症のあるお子さまへの対応
社交不安障害の治療は薬物療法と心理療法を併せて行うことが推奨されています。
お子さまの場合は、まずは心理療法を検討することが推奨されています。
心理療法
社交不安症の治療では、認知行動療法が有効です。
「みんなに注目されるのではないか」「自分の行動が周りに迷惑となっているのではないか」といった不安のもとになっている考え方を一緒に整理し、少しずつ自信を取り戻していきます。
特に、あえて苦手な状況に身を置くようにするエクスポージャー(曝露療法)は有効であると考えられています。
段階的に人前で話す練習をしたり、「できた経験」を積み重ねたりすることで、不安が少しずつ和らいでいきます。
こうした治療法は、本人のペースに合わせた関わりが大切です。
薬物療法
社交不安障害における薬物療法は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬を、少量から慎重に使います。
お子さまの年齢や症状をよく見ながら、副作用にも十分に配慮し、必要最低限の使用にとどめます。
お薬は「気持ちを軽くする補助輪」のようなものとして考えていただければと思います。
当クリニックの診療について
当クリニックでは、社交不安で悩むお子さまに寄り添い、一人ひとりの気持ちやペースを大切にした支援を行っています。
「話すのが苦手」「学校がつらそう」と感じたら、それは大切なサインかもしれません。
ご家族だけで悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。






